内部被曝についての誤解の仕方

河野太郎公式ブログ ごまめの歯ぎしり:震災がれきQ&A

Q セシウム137の半減期は30年なので食べたら体内に残り続けるのではないですか。

A セシウム137は尿と一緒に排出され、乳児は9日、大人でも3ヶ月で体内の量が半分になります。セシウムは身体の中に溜まることはありません。

大人のある人セシウム137をc量内部被曝したとする。1年後、のセシウム137の量は
c=0.5c(3カ月後)、0.25c(半年後)、0.125c(9か月後)、0.0625c(1年後)
ただし、それから3カ月以内に同じc量を新たに被曝すれば、
3カ月後の時点でこの人は1.5c量になる。同様に、
c=1.5c(3カ月後)、0.75c(半年後)、0.375c(9か月後)、0.1875c(1年後)
となる。
さらに3カ月後から半年以内にc量を被曝すれば、
c=1.5c(3カ月後)、1.75c(半年後)、0.875c(9か月後)、0.4375c(1年後)
さらにさらに半年後から9カ月以内にc量被曝すれば、
c=1.5c(3カ月後)、1.75c(半年後)、1.875c(9か月後)、0.9375c(1年後)
そして、9カ月後から1年後以内にc量被曝すれば、
c=1.5c(3カ月後)、1.75c(半年後)、1.875c(9か月後)、1.9375c(1年後)
あれれ、内部被曝量は2倍になっている。これはもちろん、極端に単純化したものだが、内部被曝量が時間とともに消失するのは、当然、その後新たに内部被曝しないことを前提にしている。それは、内部被曝冷温停止状態に擬して終息宣言するようなもので、現実離れした有り得ない過程だ。
仮に福島県内の汚染地域に住み続ければ、常時一定量内部被曝をし続ける可能性がある。そうなると、内部被曝は減るどころか徐々に増え続ける可能性すらある。しかも、1年で終わりではなく、この供給(新たな内部被曝)と消費(半減期)との競争は今後10年単位で続けられる公算が高い。この大人は10年後、当然10年年食っている訳で、年とともに生物学的半減期は長くなるので、さらに累積する可能性が高くなる。
なぜなら「福島県の放射能環境濃縮は今年から本格化」し、福島県の山岳地帯はセシウムダムと化しており、これから山から里へとセシウムが下りて来る。そうなると、土地によってホットスポットができるのと同じ理屈で一部の人に極端に内部被曝が大きくなる“ホットパーソン”が出て来るだろう。衆議院議員が軽率に「セシウムは身体の中に溜まることはありません」などと御用学者みたいなこと言っちゃ困るのだ。
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