北極の海氷史上最小ペースへ

(参照)
8月1日現在の北極海の海氷面積が6355313km2になり、観測史上最小を記録した2007年同日現在の6324063km2にほぼ並んだ。グラフの推移から見て、史上2位だった昨年をさらに下押しし、2007年を上書きする形で縮小する可能性が出てきた。
一方で、まるでその大縮小を確認するように日本の国土交通省も動き始めた。
欧州行き航路、北極海利用を検討 国交省(日本経済新聞2日)

国土交通省北極海を航路として利用する検討に入る。アジアと欧州を結ぶ航路では、 スエズ運河を通る南回りが一般的だが、北極海が使えれば航海距離、運航コストともに4割程度削減できるとみられる。地球温暖化に伴って海氷が減少しているため、夏季に航行できる期間も延びている。航路利用の前提となるロシアや北欧諸国など沿岸国の理解を得ることも目指す。3日に北極海航路の利用に向けた検討会の初会合を開く。

利用できるものは何でも利用する。こうなると、航路ばかりか北極海に眠る海底資源も国際的に容認する動きになるのだろう。そうなると、また「地球温暖化経済的利益になる」という議論が巻き起こり、その結果、温暖化リスクがますます忘れられ、破局に向かうリスクがさらに大きくなる。
日本では原発再稼働反対ばかりが盛り上がっているが、「北極海のグローバル経済化反対」などということは間違っても盛り上がらないのだろう。原発推進派も反対派も目先の利益にしか目が入らないことでは共通している。一見、反対派は長期的利益を考えているように見えるが、実際には「原発ゼロ」という目先の“至福”に夢中になっているだけなのだから。
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