軽減税率論でも罷り通る珍説

経済学者飯田泰之氏もエンゲル係数で珍説」を書いたら、珍説に輪をかけたような軽減税率に関する珍説の反論を受けた。軽減税率はあくまで逆進性の緩和の手段である。ところが、
なぜid:satohhideのように・・・

http://d.hatena.ne.jp/satohhide/20130118/1358471461
こういった、自分の方がおかしなこと言ってるだけなのに、他人に珍説とか言えるような本物のバカが生まれるのだろう。すっごい不思議。
・所得が年200万で食費が年50万の奴に1万円、
・所得が年500万で食費が年100万の奴に2万円、
を補助するのが軽減税率。エンゲル係数とか持ち出してきたところで、低所得者への優遇にはほとんどなっていない事実は変わらない。
これを、
・所得が年200万(で食費が年50万)の奴に3万円、
・所得が年500万(で食費が年100万)の奴に0万円、
とする方が低所得者への優遇としてはよほどいい。これが給付付き税額控除。

という。数字の大雑把さはいいのだけれど、分かり易くもうちょっと極端な例を出そう。消費税が10%に改定されて食料品だけ5%据え置きとする。
・所得が年200万で食費が年50万の奴に2万円、
・所得が年2000万で食費が年500万の奴に20万円、

これをもって、年収2000万円の人の方が20万円軽減、年収200万円の人が2万円だけの軽減だから高額所得者の方がごつう優遇されるというワケだ。
ところが、問題は「有難味」という一見主観的で非経済的な問題。生活感覚というよりも、現実に手元にあるカネの使い出の問題。当然のことながら同じ1万円でも年収200万円の人と年収2000万円の人とでは同じ1万円でも有難味が全く違うのは常識的に了解され得ることだ。
年収200万のエンゲル係数が25%としても、生活必需物資は食料品だけじゃないので残り75%は余裕資金なんてことはもちろんない。家賃、光熱費からトイレットペーパーまで必要経費は山ほどあり、実際には余裕なんてない。ただ、その中で買わなきゃ飢え死にするしかない飲食費だけを取り上げてエンゲル係数としているだけで、実際には生活圧迫指数と読み替えてもいい。
年間収入階級別でみた平均消費性向を見ると、2008年段階で一番所得の低い層の消費性向は85.9%に達している。リーマンショック後の今なら90%を超えているかもしれない。一方、最も所得の高い層は66.9%。
いくら年収2000万の人が20万円軽減されても、余裕資金662万円にプラスしただけで所詮はした金が少し増えた誤差の範囲にに過ぎない。ところが、もう既に生活資金に余裕がなくなっている年収200万円の人から見れば、2万円でもはした金ではない。軽減が年収1%に過ぎなくても、消費性向が90%とすると、余裕資金20万円プラス2万円で、余裕資金10%の目減りを防ぐことができる。
まあ、こういう常識的感覚でも理解できることを飯田泰之氏も河野太郎氏も知ってか知らずかスルーしているわけだ。
ちなみに、給付付き税額控除。

控除する税納めたい低所得

大体、控除、控除ってそんなはした金もらうためにわざわざ面倒な申告する時間的余裕のある人、低所得者にどれだけいるんだろうか。補足率数パーセントじゃ救済にならんだろう。確かに税収は上がるだろうさ。
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