汚染水を薄めて海に流す意味が分からない

福島第1原発 6カ所のせきで高濃度ストロンチウム、海に流出か(FNN)

20日、激しい雨に見舞われた福島第1原発で、汚染水タンクを囲っているせきのうち、11カ所から雨水が外にあふれ出た。
東京電力は、21日午前の会見で「せきの中の水の移送等、準備をやっている最中の今回の大雨ということで、十分な態勢、対応ができていなかった」と述べた。
東電が、せきの中にたまった雨水を調べたところ、11カ所のうち6カ所で、放射性ストロンチウムの濃度が、せきの外に排出可能な基準を超えていた。
なぜ、雨水はあふれ出てしまったのか。
先週、列島を襲った台風26号で、せきの中は、雨水が残った状態になった。
福島第1原発の取材を担当するフジテレビ社会部・加藤 崇記者は「東京電力は、今週末に接近するおそれのある台風27号に備えて、ポンプ30台を追加するなど、対策を21日から行うはずでした。しかし、20日の予報になかった大雨によって、雨水がせきからあふれ出てしまったのです」と話した。
ストロンチウムの濃度は、最も高いもので、基準の71倍にのぼり、海に流出した可能性がある。
東電は現在、30cmの高さのせきの外側に、さらに大きなせきを造ることを計画しているが、全て設置が完了するのは、年度末になるという。

そもそもせきの中の水までタンクに保管していたらきりがない。9月あたりから汚染水、特にトリチウムは薄めて海に流せという議論もあるが、薄めること自体何の意味があるのか。海に流すということは海で薄めるということだ。太平洋は当然地球上最大の攪拌装置だ。薄めることに何の意味があるのか。
事ほど左様、せきにたまった雨水、これだって雨で薄められた汚染水だ。雨で薄められた汚染水なら2011年3月11日以来、ずっと流されている。今も阿武隈山地にたまった放射性物質は雨が降るたびに“薄め”られて阿武隈川から太平洋に流出している。
ひところ、除染作業で、コンクリートを水圧除染した水を流したら溝の周辺の放射線量が大きくなったと問題になったが、まさか雨で放射性物質に溝に流れても問題になるのか。そんなこと言えば、大袈裟に言えば阿武隈川もせき止めて海洋に流してはいけないことになる。
何か除染も含めて全て文字通り“綺麗事”が横行している。フクイチの作業現場はただでさえ忙しくて大変なのに無意味な薄める作業までしていたらもっと大事なことができなくなる。木を見て森を見ず。ひどいことが平気で行われている。
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