高浜原発アディショナルタイムで60年稼働可能

高浜原発1・2号機 新基準審査に事実上合格(NHK)

運転開始から40年がたつ福井県の高浜原子力発電所1号機と2号機について、原子力規制委員会は新しい規制基準の審査に事実上合格したことを示す審査書の案を取りまとめました。原則40年に制限された運転期間の延長を目指す原発で審査書の案が取りまとめられるのは初めてで、今後は、残る延長に必要な審査がことし7月の期限までに終わるかが焦点になります。

高浜原発 「40年ルール」が崩れる(毎日)

40年廃炉ルールは、2013年7月施行の改正原子炉等規制法に盛り込まれた。法改正当時の民主党政権が「圧力容器が中性子の照射を受けて劣化する目安」とした。最長20年の延長は「例外」に過ぎない。

そもそも「圧力容器が中性子の照射を受けて劣化する目安」なら、中性子線が発生していない定期点検中はサッカーで言えばアディショナルタイムに相当する時間がある筈だ。
日本の原発設備利用率は2010年まではおおむね70%ぐらいだった。地震などで問題が発生した原発の点検期間が多くなったこともあり、特に問題なかった場合は80%くらいだろう。
そう思い切り仮定すると、高浜1号機の場合、運転開始は1974年11月、最後に停止されたのは2011年1月、2号機は1975年11月開始で2011年11月停止。この期間の2割が定期点検停止中と仮定したら1号機も2号機もともには7年余りのアディショナルタイム(ロスタイム)が発生したことになる。これに最後の停止以降の5年間を加えればトータルで12年になる。
予想される再稼働は3年後の2019年なので12年プラスすれば2031年まで稼働可能になる。さらにプラスされた12年間の20%が定期点検に費やされると仮定すると、さらにさらに2年半追加され、さらにさらにさらに半年ぐらい追加され、結局、最終的に40年満期になるのは2034年になってしまう。
今から18年後だ。何のことはない、運転開始から60年後だ。別に例外的に20年延長(アディショナルタイムは延長戦ではなく正式の本試合だ)しなくても、それに近い期間、正式稼働できることになる。
ついでに既に再稼働始めた3号機は1985年1月、4号機は1985年6月運転開始なので、同じでんでアディショナルは5年+5年=10年ほどあり、カレンダー的満期の2025年から10年プラス、2035年、さらに2016年から2035年までのアディショナルが5年ほどあり、おおむね2040年まで稼働可能だ。
そもそも記事では肝心の中性子線による圧力容器の中性子照射脆化について何も解説されていない。劣化が稼働中だけでなく定期点検中にもある程度進むのかさえ解説されてない。情報開示がなければ、ロスタイムがあるのかどうかさえ実のところよく分からん。多分、開示したくないのだろうか。
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