ワールド・オブ・ライズ

body of lies公式サイト。デイビッド・イグネイシアス原作、 リドリー・スコット監督。レオナルド・ディカプリオラッセル・クロウマーク・ストロング、ゴルシフテ・ファラハニ、オスカー・アイザックサイモン・マクバーニー。原題はBODY OF LIES。訳せば「嘘の塊」ぐらいだろうか。大量破壊兵器の偽情報を流してイラク戦争開戦に道筋を付けたCIAがテーマだから「大量虚報兵器」なんて意訳してもいいのかもしれないが、邦題はぬるい。
米国本土からもっぱら中東で工作活動するフェリス(レオナルド・ディカプリオ)を遠隔操作するCIA上司のホフマン役のラッセル・クロウ。まるで若き日のヘンリー・キッシンジャー国務長官のように変貌している。こんなに変わっていいのかなあ、というくらい変わっている。これが本当のBODY OF LIES。そして、「ハニ(マーク・ストロング)のカバーするのはローカルだが、俺は世界全体をカバーする立場」と傲慢かましている。
恐らくBODY OF LIESにはもう一つの意味があって、それはフェリスが考案した嘘の捏造テロリストグループ、「嘘の集団」ということだろうか。だから邦題も素直に「ボディ・オブ・ライズ」にしておくべきだった。
フェリスが見初めるアイシャ(ゴルシフテ・ファラハニ)が看護婦というのは、どうも嘘っぽい。いかにもヒューマニズムに目覚めました風なのがひっかかかる。レオ様だから女性をあてがわなければならないという配慮以上のものはない感じ。レオ様が間一髪で拷問から脱出というのもレオ様に対する配慮のようで、普通殺されるだろう。スパイをもぐらせておいたから助かったという設定だが、もぐらせておいたのなら何もレオ様を危ない目に遭わせなくても一網打尽できたはず。あの複数の車がぐるぐる回って砂埃を上げて無人偵察機のカメラを砂煙に巻く作戦の前にテロリストのアジトに首謀者はスタンバイしていただろうから。
あの砂煙作戦だって、フェリスを別の車に移動する際にどうしても車を止めねばならず、車を止めた瞬間、砂煙は止むはず。しかも、赤外線探知機を備えていれば、人の移動は確認できたはず。ホフマンの「スマンソン」はないだろう。
というわけで、現在進行形の「生々しい真実」の割にやはり娯楽作品に拘泥している部分が目立ってしまった。
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