日本の輸出立国は劇的復活を遂げた

2月貿易黒字、前年比+818.8%の6510億円(ロイター)

財務省が24日発表した2月貿易統計速報によると、貿易収支(原数値)は6510億円の黒字となった。黒字は11カ月連続。前年に比べ818.8%増加し、過去2番目の高い伸びとなった。
 ロイターが民間調査機関を対象に行った調査では、貿易黒字の予測中央値は前年比566.9%増の5500億円だった。
 輸出は前年比45.3%増、輸入は同29.5%増。ともに、前年の金額がリーマンショック後の景気悪化で低水準だったことの反動で高い伸びを記録した。輸出は1980年4月(前年比51.4%増)、1980年2月(同48.9%増)に次ぐ過去3番目の伸びとなった。自動車や自動車の部分品、半導体等電子部品の前年比増加が寄与した。輸出額はリーマンショックの前の時期(2007年9月から08年8月)の輸出額の平均の7割程度の水準に回復した。米国向け輸出は前年比50.4%増加で過去4番目の伸びとなった。中国向け輸出は前年比47.7%の増加だが、1月(同80.0%増)から伸び率が縮小した。2月の輸出は全地域で前年比増加となり、これは2007年8月以来のこと。

中国向け輸出は前年比47.7%増でアメリカの米国向け輸出は前年比50.4%増より小さくなっているが、1年前は中国だけ落ち込んでいなかったのだから、この数字は凄い。
日本の輸出立国は劇的復活を遂げる

アゴラ:輸出立国モデルの「突然死」 - 池田信夫

昨年度の貿易収支が7253億円の赤字となり、28年ぶりの貿易赤字に転落しました。世の中では、これを最近の経済危機にともなう一時的な現象と考える向きが多いようですが、これは戦後ずっと続いてきた輸出立国モデルが終わったという構造的な問題であり、与謝野財務相もいうように深刻に受け止める必要があります。経常収支はまだ黒字ですが、これも今後、配当などの所得収支が減少すれば赤字になるおそれが強い。

突然死ってねえ、ちっとも突然死していない。この前の上海自動車ショーでも分かるように、中国だけは車が売れている。日本のメーカーのシェアが小さくても、車体の鋼材は日本の鉄鋼メーカーが造る高級鋼材頼み。部品だってそう。
しかも、中国はこれから内需拡大策だからますます日本の輸出が頼みになる。耐震技術のある日本のゼネコン出番です。10年後には、建設・土木が輸出産業と言われる時代になっているかもしれないなあ。鉄鋼業だって、造船業だって1985年の円高当時は完全に斜陽産業と思われていたけれど、中国様のおかげもあって、復活した。同様、土建も日本の公共事業なくしても中国の公共事業で復活するでしょうさ。言わずもがなだけれど、環境技術とかほかに輸出できるものいっぱいある。日本の輸出なくして中国の内需拡大は事実上不可能。

あれからまだ1年も経たないうちにまあ、予想通りになった。誰ですか、「輸出立国モデルが終わったという構造的な問題」などと狼少年していた人は。
しかも、昨年2月と為替レートはさほど変わっていない。
日本の輸出依存度はG7の中で実質一番高い

日本は今後も基本的に外需依存体質を維持しつつ、中身がアメリカ一辺倒から徐々にデカップリング効果で円ドルレートをそれほど気にしないで済む時代になるということだろうか。

とまあ、そういうことで、これも予想通りか。今後の心配はどうせ日本は出口戦略で一番遅れるというか遅らせるだろうから、またそのひずみが将来的に残るぐらいか。
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