デイ・アフター・トゥモローの元ネタ

映画「デイ・アフター・トゥモロー」の科学的トンデモ性はSGWさんのサイトに貼られている「"The Day After Tommorrow"を科学的な目で見る」に紹介されているが、根本的なところがよく分からない。
元ネタはもうだいぶ前にNHKスペシャルでも紹介されていた北米大陸の巨大淡水湖(多分、現在のカナダの*ハドソン湾辺りだったか)が氷河期の終わりに、何らかの原因で淡水が一挙に大西洋に流出したという仮説だ。淡水は海水よりも軽いために冷水塊が表層水を覆い、メキシコ湾流の北上を堰き止めたうえ、海流が沈降しなくなったためにグレートコンベアーベルト(GCB)と言われる深層流もストップして海洋循環が止まったといものだ。
結果、北極海に温暖流が届かなくなり、一挙に氷結面積が拡大し、アルベド効果で地球が寒冷化したとするものだ。
しかし、現代にはそのようなGCBを止められるような巨大淡水湖なんて見当たらない。温暖化と言っても、毎夏氷山や氷河が溶ける程度じゃGCBなんて止められるもんじゃない。
第一、巨大淡水湖仮説だって、いくらその湖水が膨大でも海洋の水量から見れば全く大したことがなく、一時的にせよGCBの擾乱は起こせても止めるなどというのは眉唾だ。それに寒冷化したらすぐにGCBは再稼動するはずだが。
仮に海流の沈降スピードが熱塩循環の弱まりで減速しても即北極氷結になるというのも変だ。常識で考えれば、沈降地点がより北上するだけで、ますます北極海の氷が溶けるはずだ。現に北極海の氷は減少している。そもそもGCBというのは基本的に地球の自転に伴うコリオリの力によるものだ。熱塩循環は補佐ぐらいの役割しか果たしえないのに。仮に止まったとしても、コリオリの力は地球の自転が止まらない限り、なくなる訳ではない。GCBを動かしていたモーメントはどこに捌け口を見出すというのだろうか?
どう考えても例外的な仮説に過ぎないと思われるものが一人歩きして、それがあたかも必定であるかのように語られるのは一体どういう訳なのだろう。私には単に仮説がドラマチックで映像メディアと相性がいいということしか思い当たらない。
巨大淡水湖についてはこちらのサイトの記述や、

The last great ice age was triggered when an ice dam in northern Canada melted, emptying the then larger Great Lakes out the newly formed Saint Lawrence River. Fresh water diluted the salty cold water and it simply stopped sinking.

こちらのサイトで紹介されているLake Agassizの記述、

North America's Lake Agassiz was the largest body of fresh water in the world. At times it held more water than that in all the world's lakes today.

などが参考になる。
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