アイアンマン Iron Man or Ironic Man

ironman公式サイトジョン・ファヴロー 監督、ロバート・ダウニーJr.、グウィネス・パルトロージェフ・ブリッジステレンス・ハワード、ショーン・トーブ、レスリー・ビブ。最終的にアイアンマンという“超人”同士の戦いになってしまうというのは、「インクレディブル・ハルク」と基本構造が同じだが、露骨にアメリカの独善ぶりをたっぷり見せてくれている。
それにしても、写真↑のシーン、熱いだろうに。氷結には弱かったのに、なぜか熱さには強いというのがイマイチおかしい。金属なんだから熱伝導が良い分、「なかのひと」は断熱処理しないと、そのまんま遠赤外線丸焼き装置になってしまいそうなんだけれど。まあ、この格好からしてスーパーヒーローというよりバーナーで金属加工する町工場の溶接工って感じ。至近弾に平気なのも無理有り過ぎ。
アイアンマンのパワードスーツはexoskeltonと呼ばれ、甲殻類の甲殻と同じ意味らしい。その動力はアークリアクターという超効率的エネルギー発生装置は主役のスターク社CEO、トニー・スタークの父親で核兵器の生みの親とされるハワードの発明。誤魔化されているが、放射能が出ない都合の良い電磁力を生み出す原子炉という感じ。大体、ハワードという名前からしハワード・ヒューズがモデルだろうか。モデルといえば、トニーの少年時代の写真になぜかビル・ゲイツらしき人物がいた。
しかし、空を飛ぶ際の動力はどう見てもジェット噴射だからケロシン積む必要ある。燃料タンクはなさそうだし、あっても航続距離が短いのでアメリカからアフガンまで一飛びというわけにもいかない。イオンエンジンだとしたら推力弱過ぎて最新鋭F22と張り合うような飛行とても無理だ。
それから住民を人質に取ったテロリスト数人を同時にピンポイントで撃ち殺す時の、「画面処理」、ハイテクそうでそうでもない。処理が遅いし、ターゲットが動けばどうするのかと思う。
要するにツッコミ入れ過ぎると折角の娯楽も台無しになってしまう。
アイアンマン=アメリカと言ってしまえば、身も蓋もないけれど、映画自体は実に楽しいが一皮剥けば憎たらしい。文字通り、一時はタリバンサダム・フセインイラクに武器援助したアメリカの歴史的事実が戯画化されている。ソ連のアフガン侵攻に対抗してソ連の戦闘機を撃ち落したのは米国製のスティンガー・ミサイルだったが、スターク社のジェリコ・ミサイルは今問題になっているクラスター爆弾のミサイル版だ。それをあたかも米国ではなく、テロリストが使っていることにして住民を大量虐殺というのはないだろう。ひどい奴だ。
そもそも、おかしいのは、トニーはもう武器よさらばと言っておきながら、究極の兵器アイアンマンを作っているということ。
一言で言えばIron ManじゃなくてIronic Manが正解。
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