世襲版コスタリカ方式で世襲制限は無意味

小泉氏次男、公認見送りへ 自民の世襲制限「次から」(朝日)

自民党の党改革実行本部(本部長・武部勤元幹事長)は21日、国会議員の世襲制限を次の総選挙から実施する方向で調整に入った。国会議員の子供ら親族が同じ選挙区から続けて立候補する場合に公認しないことを内規で定める。小泉元首相が地盤を譲ると表明した次男・進次郎氏の公認も見送られ、無所属で出馬する公算が大きくなった。
自民党は、菅義偉選挙対策副委員長が「次の次の総選挙からの世襲制限」を総選挙公約に盛り込むことを主張。世襲議員を中心に反発が広がったが、民主党が総選挙の政権公約(マニフェスト)の柱に世襲制限を掲げることを踏まえ、「自民党も公約に掲げないと選挙を戦えない」(幹部)と判断、実施時期を前倒しすることにした。

世襲制限、ちらつく「抜け穴」 当選後に追加公認も(朝日)

対象は新顔で、小泉元首相の次男ら2人とみられる。ただ、無所属で出馬・当選後に追加公認するなどの「抜け穴」もちらつく。

民主党も、国会議員の3親等以内の親族が同じ選挙区から連続して出馬することの禁止を決めた。それだけみれば自民党の案と大きな違いはない。鳩山由紀夫代表は21日、「(追加公認は)姑息な発想だ。(民主党は)そういうことはするべきではない」と記者団に語り、「抜け穴」の有無が違いだとアピールした。
ただ民主党案でも、1回見送ってから出馬するのは可能で、小沢一郎前代表らが子息に地盤を継がせるとの観測は党内でも絶えない。

両党とも「同じ選挙区」からは出ないということだけで共通している。けれど、どう考えても両党とも「同じ選挙区」とは、「選挙区並びにその選挙区をカバーする比例区」とは言っていない。無所属で出なくても比例区という便利なものがあるじゃないか。例えば小泉進次郎氏の場合、次の衆議院選挙だけ「選挙区」からは立候補せず、比例区のみで公認候補になる。絶対確実当選圏内の政党名簿上位に名前を載せてもらって当選。次の次の選挙で選挙区に回れば、何てことない、見事に世襲は途切れることなく続くじゃないか。天下り禁止の抜け穴なんてものじゃない、最初から大穴が空いている。
コスタリカ方式@wiki

小選挙区比例代表並立制における選挙戦術の一つで、同じ政党から競合する候補者が存在する選挙区において1人を小選挙区に、もう1人を比例区に単独で立候補させ選挙毎にこれを交代させるという方法である。
コスタリカ」の名は、コスタリカ友好議員連盟の会長であり自民党幹事長であった森喜朗が国会議員が同一選挙区における連続立候補を禁じたコスタリカ選挙制度を参考にして命名したものである。ただしコスタリカ選挙制度の目的は選挙において特定地域の有権者との癒着を防止することであり、日本のシステムと趣旨は異なっている。

まあ、世襲コスタリカ方式だと1回だけで済むから、その後はたすきがけ立候補はする必要ないのだけれど。理論的に言えば、わざわざ「無所属」なんて「姑息」なことしなくても、もっと「姑息」な手段で堂々最初から公認で世襲できるようになっている。
ただし、

民主党コスタリカ方式での出馬は認めておらず、比例代表区立候補者は全員が小選挙区との重複立候補者であり名簿第一位である。

なので、民主党が今後もこの原則を守れば、民主党の主張の方が自民党より説得力があることは確か。
本気でやるなら、公職選挙法を改正して厳重に縛りをかけないとどうにもならないだろう。森田健作氏のように自民党支部長でも「完全無所属」と名乗れるのだから、今の公選法は穴だらけ。世襲制限するなら、政党役職や議員秘書までも制限しないとどうにもならないだろうし、同じ選挙区を制限しただけじゃ大して意味ない。世襲とは、言い換えれば、世襲による人脈作りの特権でもあるのだから別の選挙区でも神通力が衰えない場合もある。
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