中国人“技能研修”を厳密運用すれば派遣村必要なかったかも

12月の失業率5.1%、0.1ポイント改善 求人倍率0.46倍に上昇(日経)

総務省が29日発表した2009年12月の完全失業率(季節調整値)は5.1%で、前月に比べ0.1ポイント低下した。低下は2カ月ぶり。完全失業者数は317万人で、前年同月比47万人増と、14カ月連続で増加。うち、勤務先の人員整理や倒産などで失業した「勤め先都合」は27万人増、「自己都合」は1万人減だった。就業者数は6223万人で108万人減少した。減少は23カ月連続。
 同時に発表した09年平均の完全失業率は5.1%で、前年比1.1ポイント上昇した。上昇は2年連続で、上昇幅は過去最大。
 また、厚生労働省が同日発表した2009年12月の有効求人倍率(季節調整値)は、前月比0.01ポイント上昇の0.46倍だった。上昇は4カ月連続。有効求人は0.2%減、有効求職者は2.1%減だった。
 新規求人は前年同月比で17.4%減少した。産業別にみると、特に情報通信業(29.9%減)、運輸業・郵便業(29.2%減)、宿泊業・飲食サービス業(28.6%減)が目立った。あわせて発表した09年平均の有効求人倍率は前年比0.41ポイント低下の0.47倍と、1963年以降で最低だった。

宿泊業・飲食サービス業(28.6%減)が目立ったとしているけれど、それにしては、たまに入る大手牛丼チェーンに行くと、ほとんど必ずと言ってもいいほど中国語訛りの「イラッシャイマセ」を聞く。ほかにコンビニの店員も中国人が多くなった。彼らは外国人研修制度の技能修得活動の一環として働いているらしい。中国人店員を見たのは、ほんの5、6年前だったか、九州の観光地の土産店が最初だったと記憶する。あの時は「ああ、日本の店でも中国人が店員になる時代が来たのか」程度だったが、それからアッと言う間に増えてしまった。もはやあまり高級店でない大衆向けの飲食店における中国人店員は相当なものになっているはずだ。
客の注文を理解し、注文通りの献立を配るのも技能ということだ。多分、皿洗いも技能と言えば技能なのだろう。けれど、外国人研修制度ではそんな仕事も技能と想定していたのかどうか。
何を技能とするか要するに裁量の問題で、インドネシア人看護師や介護師は、少なくとも牛丼チェーンやコンビニ店員よりも技能として価値が高いはずだが、恐ろしくハードルが高い。これは技能だけでなく派遣国との力関係で決まるのではないかと思えてくる。一方は低いと思える技能も技能扱いされてどんどん中国から派遣されてくる。
先日の
五島沖 10人乗り 漁船不明 現場に油、転覆か 長崎市の山田水産 無人の救命艇発見(西日本新聞)でも、

行方不明の方々
 第2山田丸の乗組員は次の通り。(第7管区海上保安本部など調べ)
 船長股張保さん(49)=長崎市小瀬戸町▽機関長満尾幸人さん(60)=長崎県南島原市加津佐町▽甲板長大道義人さん(54)=長崎市為石町▽甲板員今宮孝さん(58)=長崎市岩川町
 以下はいずれも甲板員で中国浙江省の盧海明さん(45)▽鮑志光さん(41)▽邵明児さん(40)▽黄志龍さん(39)▽黄慧さん(36)▽王光安さん(37)

と10人のうち6人は中国からの派遣社員。甲板員も技能ではあるのだけれど、いつの間にか農業も含めて技能研修という中国人派遣労働者が全国的に席巻しているような。
こうなると、派遣対正規社員という問題と言うより、日本人派遣社員対中国人技能研修派遣社員という図式になっていないのだろうか。よく賃上げすれば企業が海外に逃げると言うが、逃げようのない内需型企業は海外から人を集めて技能研修という名の低賃金労働者を雇っていることになる。
このような状況で実は日本人非正規社員が一番惨めな思いを強いられていることは間違いなさそう。
そもそも、日の出の勢いの中国経済なのになぜ日本にまで来るのか。中国がGDPで日本を抜いて世界2位に実質もうなっているという感じだが、人口が10倍なので、1人当たりGDPはまだ日本人の10分の1にすぎない。まだまだ技能研修は美味しい人材輸出として成り立つのだから、当分大量の“技能研修”にやって来るのだろう。技能研修の運用を変えれば、派遣社員も相当救われると思うのだけれど、技能研修に関連した利権も存在するようだし、運用変更はよほど派遣労働者が怒りの声を上げないと無理そうだ。しかも、湯浅誠氏が内閣参与になってしまったので、民主党政権の対中国政策を考慮すれば何も言えなくなる。湯浅氏もうまい具合に取り込められ、出世したというわけだ。
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