小向美奈子容疑者旅券返納命令の根拠が曖昧

崖っぷちの小向美奈子容疑者 旅券返納命令で地下潜伏か(産経)

覚せい剤取締法違反の容疑で逮捕状が出されたタレントの小向美奈子容疑者(25)に対し、警察当局は週明けにも外務省に旅券(パスポート)の返納命令を要請する方針を固めた。これにより小向容疑者の旅券は失効し、滞在先のフィリピンから第三国への出国は不可能。身柄が確認され次第、現地の出入国管理官から強制退去させられることになるが、覚悟を決めて、現地で地下潜伏を決め込む可能性も出てきた。
 あの“スライム乳”がいよいよ崖っぷちだ。覚せい剤取締法違反(使用)罪に問われ、一昨年2月に東京地裁で懲役1年6月、執行猶予3年の有罪判決を受け、執行猶予中だった小向容疑者は昨年、都内でイラン国籍の男らから覚醒剤を購入した覚せい剤取締法違反(譲り受け)の容疑で、再び警視庁が1月に逮捕状をとった。
 こうした中、小向容疑者は同月21日、フィリピンにビザなしで出国し、現地で3月21日まで滞在期限延長を許可されていた。現地は、滞在延長の申請を繰り返すことで、事実上の永住生活が可能だが、ついに、日本の警察が動いた。外国人が海外生活を送るうえで欠かせないパスポートを失効させる荒療治を決断したのだ。
「日本の旅券法上、外務省は2年以上の刑罰に該当する容疑者などに対し、旅券の返納を命じることができる。小向容疑者のような所在不明者の場合、返納命令が官報に掲載された後、20日間で本人に伝わったとみなし、合理的な一定期間を経た後、旅券は失効する」(大手旅行業者)

この「2年以上の刑罰」だけれど、
旅券法

(一般旅券の発給等の制限)
十三条  外務大臣又は領事官は、一般旅券の発給又は渡航先の追加を受けようとする者が次の各号のいずれかに該当する場合には、一般旅券の発給又は渡航先の追加をしないことができる。
一  渡航先に施行されている法規によりその国に入ることを認められない者
二  死刑、無期若しくは長期二年以上の刑に当たる罪につき訴追されている者又はこれらの罪を犯した疑いにより逮捕状、勾引状、勾留状若しくは鑑定留置状が発せられている旨が関係機関から外務大臣に通報されている者

(返納)
第十九条  外務大臣又は領事官は、次に掲げる場合において、旅券を返納させる必要があると認めるときは、旅券の名義人に対して、期限を付けて、旅券の返納を命ずることができる。
一  一般旅券の名義人が第十三条第一項各号のいずれかに該当する者であることが、当該一般旅券の交付の後に判明した場合
二  一般旅券の名義人が、当該一般旅券の交付の後に、第十三条第一項各号のいずれかに該当するに至つた場合

の「長期二年以上の刑に当たる罪」で逮捕状が出ていることに該当するということらしい。
で、覚せい剤取締法だけれど、

第四十一条の二  覚せい剤を、みだりに、所持し、譲り渡し、又は譲り受けた者(第四十二条第五号に該当する者を除く。)は、十年以下の懲役に処する。

に該当するようだ。しかし、「十年以下」だから「2年未満」もあり得るのだから必ずしも該当しないと思われる。
小向容疑者は09年2月に覚醒剤取締法違反罪で懲役1年6月、執行猶予3年の判決を受け、今も執行猶予中。もし、根拠らしきものが有るとしたら今回は執行猶予中にも拘わらず再犯の疑いがあるので、懲役2年以上になるだろう、という「見込み容疑」に過ぎない。
しかし、小向容疑者はまだ取り調べすら受けておらず、本人も、
小向「出頭します。逮捕状は寝耳に水」(朝日)

昨年10月に都内で覚せい剤をイラン人から購入したとされることには「ロベと呼んでいるイラン人と知り合いで麻薬密売人。最後に彼の家に行ったのは、昨年の夏くらいで、覚せい剤を買いに行ったのではない」と、譲渡容疑も否定。出頭を促されると「日本に戻って、きちんとありのままをお話しします。出頭します」と返したが、具体的な帰国予定には触れていない。

と譲渡容疑も否定しているようだ。つまりまだ容疑事実すら固まってないのに、“見込み相場刑”で「2年以上」と決めつけて返納命令出していいのか。ここらあたりどうにもよく分からない。
そもそも、返納命令出すのなら、もっと早く出されていた筈だ。1月に逮捕状を取り、1月21日にフィリピンに出国したと分かった時点で外務省に返納命令を要請していなければおかしい。一か月も遅れたということは、法的根拠が曖昧だからではないのか。
マスコミで大騒ぎになった今頃になって出すというのなら、これも「大相撲八百長メールは守秘義務違反でないのか」と同様のマスメディアとタッグを組んだ警察の裁量運用の臭いがする。
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