牧歌的な比較優位を信じる牧歌的な人々

nandoブログ: TPP の誤解と正解 1及び2
をまとめて読む。

経済学者の99%は、自由貿易に賛成している。
では、残りの1%は何かというと、いわゆるトンデモ学者だ。

一体、どうやって統計取ったのか知らないけれど、こんなの嘘に決まっている。共産主義者が非共産主義者をバカ扱いするのを裏返ししたようなものだろう。つまり、自由貿易を否定する者は経済学者にあらず。どこぞやでよく聞く台詞だ。真理は一つだけ。とすると、この経済学というのは科学ではなく宗教教義だ。およそ世界の経済学というのは学問ではなく「経済成長」というイデオロギーだということだ。

A 2 貿易収支というものは、全世界を相手にした数字だけが意味を持ちます。特定の二国間は意味がありません。

二国間で意味がなくても、日本の農畜産業者とアメリカの農畜産業者との間では意味があり過ぎる。徹頭徹尾ガチンコで利害対立だ。意味がないわけない。
また日本国民一般にも関係して来る。現在埼玉県程度の耕作放棄地が関東地方全体くらいに広がればさすがにヤバイだろう。大体TPPでコメの関税がゼロになってもコメの値段がそんなに下がるとも思えない。むしろ、ますますワケワカメになって農水省焼け太りする公算すらある。

輸出はそれ自体では目的ではなく、輸入するための手段なのです。
 わかりやすく言うと、「金は使うためにある」ということです。いくら金を稼いでも、ただ金を貯め込んでいるだけでは、金は何の意味もありません。貯めている限りは、ただの預金通帳の数字です。それはバーチャルなものであり、リアルなものではありません。金は、使ったときに初めて、その価値を発揮します。この意味で、「金は使うためにある。貯めるためにあるのではない」と言えます。

現実はそうなっていない。「金は使うためにある」というのは、まだ牧歌的な経済の時代の伝説であり、今では、「金は貯めるためにある」という行為が優勢だ。特に富裕層においては。なぜなら一定以上金を貯めて一生で使いきれない金は、もはや「使うためにある」から独立した動きをする。物理学にたとえれば、固体が熱せられると、液体、さらに気体へと変化するのに似ている。
基本的に世界は無目的だから条件次第で金の性質も変化することを知らねばならない。あんた、素朴過ぎるよ。いい年してまだ経済学の教科書ですか、フーン。

Q 5 じゃ、そうすれば? 輸入超過にすれば?
 A 5 上の話は、あくまで仮定の話です。現実には、輸入超過はありえません。というのは、為替レートが変動するので、輸出入は常にバランスするようになっているのです。
 その意味で、「輸出ができなくなる」とか、「輸入が極端に増える」とか、そういう心配は、杞憂です。

あれあれ、これまた教科書的な為替レート観。為替レートは圧倒的な投機マネーと政治の道具になっている。ドッタンバッタンしてヒドイ目に遭う人かなり出て、その犠牲者の懐から金を奪うのが現実の世界。なぜ金を奪うかって? そりゃ、金をためることが目的の人が世界的に増えているからですよ。

Q 7 日本も中国のように黒字をたっぷりと貯め込めばいいのでは?
 A 7 それは物品を得ないということですから、その国の生活水準が低下するということです。

アメリカはいざとなればアウタルキー経済を営めるが、日本はどう考えても無理でしょう。そのために金をため込むことが運命づけられている。中国様もあんなに人口抱えていればアメリカさんのようには参らんでしょうなあ。それにまだまだ軍事力を付けなければいかんし。
「はっきり言って、(戦時中でもないのに)今どきそんなことを言うのは、ただのアホです」と言うのはアホです。

・ 日本は、財政は悪いが、経済はしっかりしている。
ギリシャは、財政も悪いが、経済は輪をかけて悪い。

何か倒産直前の会社の社長さんのような台詞ですなあ。ああ怖い。

「輸入物価の下落でデフレになる」
 という説の是非です。しかし、こんなことを言う人は、経済学のイロハもわかっていないようです。

文句言うなら某経済ナショナリストより経団連に言って欲しい。このデマ飛ばしたのは経団連なのだから。

A,Bというふたりの人間がいて、それぞれ自給自足していたとする。それぞれ農業と漁業を半々でやっていたとする。ところがある日、「分業をしよう」と決めた。Aさんは農業が得意なので農業をやる。Bさんは漁業が得意なので漁業をやる。そうすると、Aさんは得意な農業でたくさんの収穫を得た。Bさんも得意な漁業でたくさんの収穫を得た。

A,Bというふたりの人間がいてAは肝臓が恐ろしく強く肺蔵は並み、Bは肺機能が恐ろしく強いが肝臓は並み。そこで肝臓と肺蔵の半分ずつをAとBの間で交換することにした。お互い得意な分野での等価交換が成立する。
でも、本気でやる人いるかなあ。平和時(健康)ならそれでいいかもしれないけれど、いつ有事(戦争だけじゃない未来の不確定性による想定外事態)(病気)になるか分からない。リスク大杉。

こうして、「貿易と交換」の必要性がわかった。これを理解すれば、「保護主義」というのがいかに馬鹿げているか、わかるだろう。それは「自給自足」を意味するのであり、「分業」の効率アップの利益を失わせるのである。

効率アップの利益というのは命が保障されてのものでいつでもどこでも成り立たない。世界の複雑性が全く理解されていない。大体、なんで非効率な戦争が歴史的に絶えず行われているというのか。基本的にできれば相手の利益を分捕りたい、というのが世界的な隠れたコンセンサスだからだよ。そして、敵を殲滅するのは楽しいし、美味しい、そのこと自体が報酬(利益)だということも。
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