中国政府による「強烈」の政治的意味

中国国防省が談話「強烈な抗議を示す」(TBS)

中国国防省は報道官の談話を発表し、「中国の軍隊は断固たる反対と強烈な抗議を示す」と強調しました。報道官はさらに「中国政府と軍が国家の領土と主権を守る決心と意思は揺ぎないものだ」と述べています。
一方、新華社通信によりますと、11日午前、中国の海洋巡視船2隻が尖閣諸島の周辺海域に到着したということです。航行目的については「状況を見て権益を守る行動を展開し、中国の主権を宣言する」としていますが、日本政府による尖閣諸島国有化への対抗措置の一環とみられます。(12日01:22)

中国政府が「強烈」を使った過去例。
中国政府、日本に「強烈な不満」=ウイグル会議、首脳会談に影響も(AsiaBrief2012年5月18日)

中国外務省の洪磊・副報道局長は14日の定例記者会見で、東京都内での「世界ウイグル会議」代表大会の開催について「中国側の断固たる反対を顧みずに日本開催を許した」と批判、日本政府に「強烈な不満」を表明した。
一方、胡錦濤国家主席が同日、北京で野田佳彦首相との会談に応じなかったことについて、同副局長は直接言及しなかった。ただ複数の日中関係筋は、中国側が首脳会談を事実上拒否した原因として、中国が譲歩できない「核心的利益」と位置付けるウイグル問題などに対する日本政府の対応が影響した可能性があるとの見方を示した。

しかし、何も「弱腰」の日本に対してだけ使っているわけでない。
中国「強烈な憤慨」、米国の台湾武器輸出に「見たくない結果招く」(サーチナ2010/01/30)

中国は米国に対して「強烈な憤慨」という非常に強い言葉で抗議を行うと同時に、台湾への武器輸出が今後の米中関係を損なうことは必至であるとした。また、米中両国の重要な分野における交流や協力面に重大で否定的な影響をもたらし、さらには米中両国が目にしたくない悪い結果を招くだろうと警告した。
外交部の何亜非副部長は続けて、米国は台湾への武器輸出が意味する危険性をはっきりと認識し、台湾への武器輸出といった誤った決定を撤回するよう米国に要求した。また、米国による台湾への武器輸出に対し、中国ネット上でも強烈な反対、憤慨の声が上がっている。

この記事読むと、アメリカに対しても、同じような口調で抗議し、ネットを使って煽るいつもの手口を使っていたことが分かる。
さらに極め付けは、
内外情勢の回顧と展望(平成19年1月)(公安調査庁)

今般,北朝鮮が自制勧告を聞き入れず,ミサイル発射にとどまらず核実験まで強行したことに強く憤り,厳しい姿勢を示した。特に,核実験実施後は,外交部が即日非難声明を発表したのに続き,胡錦濤国家主席自らも「国際社会の強烈な反応を知らしめる必要がある」と非難し(10月17日),さらに,安保理に提出された対北朝鮮制裁決議案に対しても賛成した上,北朝鮮に対する圧力ともとれる各種の措置を講じるなど,従前の中朝関係では考えられなかった厳しい対応を行った。その背景には,中国の北朝鮮擁護姿勢の変化の可能性を北朝鮮に知らしめ,北朝鮮の更なる危険行動を抑止すると同時に,6者協議の枠組維持と議長国としての影響力保持の意図があったものとみられる。

まあ、胡錦濤国家主席北朝鮮に直接「強烈」に反応した訳ではなく、あくまで「国際社会」とワンクッション置いているわけだけれど。
いずれにせよ、その後、米中関係、中朝関係が“強烈”に悪化した事実はない。日中関係も“強烈”には悪化しないだろう。
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