引き算もできないまじめな化学者って

化学者のつぶやき:科学史上最悪のスキャンダル?! "Climategate"

海水中には大量の二酸化炭素が溶解しており、気温の上昇に伴って海水中の二酸化炭素が大気中に放出されたと理解すべきでしょうか。

理解すべきじゃありまへん。まあ、こちらの基本的な炭素循環Carbon cycleのグラフでも見てほしいものだ。海水に吸収される二酸化炭素が92、排出される二酸化炭素が90。
92−90=+2
90−92=−2
どっちにしても吸収量の方が多いということが分かるでしょう。引き算ができる小学生でも分かる問題。
よって気温の上昇に伴って海水中の二酸化炭素が大気中に放出されたなんてことが間違いなことは素直な小学生なら理解できる。海水はずっと吸収して化石燃料起源分の半分近くを吸収して緩和してくれているのだ。
ところで同じ図に載っている炭素換算5.5Gtの毎年排出される化石燃料起源の二酸化炭素はなぜ無視されるのだろう。今ではその値は6Gtに増えているようだが。仮に純粋に気温の上昇だけで海水から二酸化炭素が放出されていたら、化石燃料起源の二酸化炭素だけは特別扱いで異次元の世界にでも排出されたのだろうか。そうなると、もはやオカルトの世界だ。オウム真理教にでも入信なさった方がよさそうだ。
紹介されている日本物理学会誌に載ったというグラフには見覚えがある。かつてキーリングが、化石燃料起源の二酸化炭素増大分を差し引けばどうなるかとグラフを作っている。化石燃料起源分の二酸化炭素がなくなれば、大気中の二酸化炭素分圧が低くなるので、海水が温まれば海水から二酸化炭素が放出されるだろうし海水が冷えれば逆に吸収する。ただそれだけの話だ。この議論、昨年にもあって決着しているはずなんだが、グラフ読めない人がまだまだいるらしく、空論が繰り返されるみたいだ。
そんなのを

まじめな記事

などと、池田信夫blog:Climategate
賞賛してリンクしている間抜けもいるのだから、世の中本当に恐ろしい。昨年の学習効果が全くないようだ。まあ、世の中にはまじめなトンデモ記事だってあるのだから、一概に間違ってはいないのだけれど。
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