スマートシティは本当にスマートか

スマートグリッド展始まる(NHK)

スマートグリッド」は、太陽光など自然エネルギーで発電した電力を安定的に供給するのに欠かせない次世代の電力網で、ITや蓄電池などを組み合わせたシステムです。展示会には、電機や自動車のメーカーなどおよそ200社が参加し、家庭の電力使用を制御する「スマートメーター」と呼ばれる機器など、電力不足が起きても停電が起きにくいシステムが紹介されています。また、畑の上にも設置できるよう細い棒状の電池を組み合わせた太陽電池システムや、電気自動車に充電する機器など、スマートグリッドに欠かせない最新の技術も展示されています。東日本大震災をきっかけに、電力不足への懸念から日本でも電力の安定供給や自然エネルギーの導入が課題となっていて、スマートグリッドの実用化に向けた開発競争が加速しています。日立製作所の木村亨事業所長は「震災をきっかけに電力が足りなくなるなかで、自然エネルギーの活用のため、日本でもスマートグリッドが重要になってきている」と話していました。この展示会は、17日まで東京ビッグサイトで開かれています。

テレビ番組では、日立製作所などが構想しているスマートシティも紹介されていて、ITでオフィスの職員の好みの気温までも管理して省エネと電力需要供給の適正配分で太陽電池風力発電などの自然エネルギーを生かすという触れ込みだった。
しかし、スマートシティのニュースで気になるのは、トータルで本当に省エネになるのかということ。例えば人間の体で一番消費エネルギーが高いのは脳細胞だ。脳細胞や神経系統の発達によって、筋肉や内臓へのエネルギー配分は適切に行われているだろう。食事した後は内臓に血流が集まり、運動している時は筋肉に血流が集まる。しかし、それをするために脳細胞自身が膨大なエネルギーを消費している。
スマートシティに感じる懸念はこれと相似だ。番組見ていると、至る所にIT機器や端末が配置されている。それ自体の消費電力はかなり膨大になる筈だ。大体、そこまでやっても省エネにはそんなに関係なさそうだ。電力をスマートに使いこなすということは必ずしも省エネに直接結びつかない。全てをトータルに管理するにはやはり脳細胞と同様、電力を食うシステムを構築してしまうことになる。省エネ分よりスマートグリッドのシステムに消費する電力が多ければ、結局トータルでは却って消費電力総量が多くなってしまったという笑えない冗談になってしまわないのだろうか。
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