米国で著作権のないNIHが日本国内で著作権保護されるとは

科学論文のコピペは即盗作ではないの続き。
早稲田大学大学院先進理工研究科における博士位論文関す調査委員会報告書を読んでいると、何だかよく分からないことが目につく。その最たるものは小保方晴子氏が博士論文の序論20ページ分をそっくりそのままコピペしたとされる米国立衛生研究所(NIH)のサイト。ここは報告書にも記述されているが、NIHはアメリ連邦政府の機関であり、米国著作権法第105条、

合衆国政府の著作物は著作権の保護を受けない

とされている。つまり、いくらコピペしようが構わないということだ。
ところが報告書では、

NIHの担当者の供述及び小保方氏の供述によると、転載元の著作権者は米国政府(の機関)であること、及び同機関は転載元の使用につき小保方氏に許諾を与えていなことを認定できる。

としている。そもそも米国政府(の機関)は(米国連邦著作権法の)著作権者でないことははっきりしている。なのに、

本件博士論文は我が国で作成されたものであるから著作権享有主体性の判断準拠法は日本であり、米国連邦著作権第105条は適用されず、NIHが転載元の著作権を有すると解すこができる。

としている。つまり、NIHは米国連邦著作権法の保護の対象外だが、コピペ先が日本で作成されたものだから日本の著作権法の保護下にあるとされる。よって、NIHは日本国著作権法第21条の複製権の専有を保障され、小保方氏はNIHの複製権の専有を侵害したことになるというのだ。
法律の素人には何とも奇怪なことだ。外国文献が当該国では著作権がないと解されているのに、日本の文献に転載されれば、日本の著作権法で保護されるとは知らなんだorz。
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